CocoaEmacs (+千葉大山本さんパッチ) をビルド

CocoaEmacsをしばらく使っていたのですが、CarbonEmacsの使い心地がよすぎた+どうも不都合が多い印象があり(インラインIMEが日本語状態でフォーカスすると入力できなくなる、Terminalからファイル名引数で開くと新規ウィンドウが立ち上がる、等)イライラが溜っていました。結局CarbonEmacs最強とか言っていたらTwitterでCarbonEmacsのメンテもされていた千葉大山本さんがパッチをリリースされていることを教えて頂いたので、早速パッチをあてたCocoaEmacsをビルドしてみました。以下手順です。

Emacs 公式からソースをダウンロード
http://www.gnu.org/software/emacs/

千葉大山本さんのパッチをダウンロード
ftp://ftp.math.s.chiba-u.ac.jp/emacs/

以下、千葉大山本さんパッチのREADME-mac通りに進めていく

% tar xzvf emacs-23.4.tar.gz
% tar xzvf emacs-23.4-mac-2.0.tar.gz
% cd emacs-23.4
% patch -p0 < ../emacs-23.4-mac-2.0/patch-mac
% cp -r ../emacs-23.4-mac-2.0/mac ./
% cp ../emacs-23.4-mac-2.0/src/* src/
% cp ../emacs-23.4-mac-2.0/lisp/term/mac-win.el lisp/term/
% cp nextstep/Cocoa/Emacs.base/Contents/Resources/Emacs.icns mac/Emacs.app/Contents/Resources/Emacs.icns
※ アイコンを CarbonEmacs と同じにしたい場合実行しておく
% ./configure --with-mac --enable-mac-app CC="clang -fobjc-arc"
% make
% make install

使ってみた感想ですが、今のところほぼCarbonEmacsの使い心地で使えています。
CarbonEmacsから離れられない方にはおすすめのパッチです。

OSX Lion インストールログ (2012/4更新)

2012/4に行ったiMacへのLionクリーンインストール時の作業メモ。
あくまで筆者が作業ログ的に書き残したものなので、解説不足の部分は多々あると思います。ご了承下さい。

目次

準備
インストールと初期設定
システム関係
ログインシェルをzshに変更
~/Library/を表示
キーボード設定
アプリケーションのインストール
Mac App Store 関係
その他アプリのインストール
開発環境系のセットアップ
Xcode 4.3.2
Xcode iPhone開発環境
Homebrew
Cocoa Emacs
.emacsに追加設定
Cocoa Emacs にYaTeXインストール
Python Superpack
TeX環境
latexmkの設定
MySQL
R
入ってた

準備

今回は元々 Snow Leopard がインストールされていたモデルにクリーンインストールする。Lion からは OS インストールも Mac App Store から行う必要があり、基本的にアップグレードになるため、今回は以下の手順でインストールディスクを作成し、クリーンインストールを行う。

  • 「/Applications/Mac OS X Lion インストール.app 」右クリック→パッケージの内容を表示
  • Contents/SharedSupport/InstallESD.dmg をダブルクリックして開く
  • ディスクユーティリティ.app 実行
  • リストにある InstallESD.dmg を選択して「ディスクを作成」しDVDを作成する
  • DVDから起動(「c」押しながら再起動)

インストールと初期設定

  • インストール画面から実行可能なディスクユーティリティからパーティションを消去
  • あとは画面の指示に従ってインストール
  • 再起動後にユーザアカウント作成など

なぜかカスタマイズがグレーになったままで押せないが、これは仕様とのこと(そもそもカスタマイズ項目が存在しない)。クリーンインストールを行いたかったので、TimeMachineからの復元等は行わなかった。アカウント情報、ネットワーク環境設定とかキーチェーンくらいは復元すればよかったかなと思っている。

システム関係

ログインシェルをzshに変更
  1. システム環境設定のアカウントを開く
  2. 左下のカギをクリックして認証する
  3. 自分のアカウント名を右クリックして、詳細オプションを開く
  4. 詳細オプションのログインシェルをzshに変更
~/Library/を表示

ターミナルから以下を実行

chflags nohidden ~/Library/

キーボード設定
  • システム環境設定→キーボードとマウス
  • F1,F2などのすべてのキーを標準のファンクションキーとして使用:on
  • 修飾キー → Caps と Ctrl 入れ替え

アプリケーションのインストール

Mac App Store 関係

以下を一気にインストール。購入済みリストがあると楽ですね。

  • Alfred
  • Echofon
  • OmniGraphSketcher
  • OmniFocus
  • Reeder
  • Tree
  • Windows Phone 7 Connector
  • TextWrangler
  • The Unarchiver
  • Evernote
  • Transmit
  • Caffeine
  • Keynote
  • iPhoto
  • iMovie
  • Xcode
その他アプリのインストール

とりあえずよく使いそうなところを一気にインストール

  • iPhone Explorer
  • Microsoft Office 2011 (exclude Outlook)
  • Dropbox
  • VmWare Fusion
  • Perian
  • MIMEfix (Mail.appの添付ファイル文字化け対策)
  • iStat Pro
  • Google Chrome
  • Google Chrome のエクステンションは以下を追加
    • AutoPagerize
    • Chrome Keyconfig
    • ExifViewer
    • JSONView
    • Proxy SwitchySharp
    • Smooth Gesture
    • Taberareloo
  • AquaSKK
    • Rebootかかる
    • システム環境設定→言語とテキスト→入力ソース
    • ことえり:off, AquaSKK:on

開発環境系のセットアップ

Xcode 4.3.2

Xcode起動
→ Xcode Component Installation (Mobile Device Framework) → Install
→ Preferences → Downloads → Command line tools インストール

Xcode iPhone開発環境

(既に他マシンで開発環境がある場合)
iOS Provisioning Portal から開発者証明書をダウンロードしてインストール。
他マシンに入っている開発者の秘密鍵をキーチェーンアクセスから書き出し→新しいマシンでインポート。

Homebrew

bashじゃないとインストールできないのでbashに切り替えて実行する

% bash
bash-3.2$ /usr/bin/ruby -e "$(curl -fsSL https://github.com/mxcl/homebrew/blob/master/Library/Contributions/install_homebrew.rb)"
% brew update

Cocoa Emacs

以下の方法でインストールしたCocoaEmacsの利用はやめて、現在は千葉大山本さんパッチを適用したCocoaEmacsを利用しています。適用方法はこちらの記事で

% brew install --cocoa emacs
% cp -r /usr/local/Cellar/emacs/23.4/Emacs.app /Applications (※1)
% vi .zshrc
alias emacs="open -a Emacs" # 追加(※2)

※1:ln -s でもいいのだがコピーしないと Alfred が検索対象にしてくれないため
※2 mac デフォルトの emacs より /Applications/Emacs.app を優先させる

.emacsに追加設定

CocoaEmacs ではデフォルトのMetaキーはOptionにマップされている。MetaキーはCommandを使いたいので、CommandとOptionをスワップする。

(setq ns-command-modifier (quote meta))
(setq ns-alternate-modifier (quote super))

ドラッグアンドドロップでファイルを開けるようにする。新しいウィンドウで開いてしまうのだけど、使えないよりはマシなのでとりあえず設定。

(define-key global-map [ns-drag-file] 'ns-find-file)

フォントはMenloとか使ってみる。

(when (eq window-system 'ns)
(create-fontset-from-ascii-font "Menlo-14:weight=normal:slant=normal" nil "menlokakugo")
(set-fontset-font "fontset-menlokakugo" 'unicode (font-spec :family "Hiragino Kaku Gothic ProN" ) nil 'append)
(add-to-list 'default-frame-alist '(font . "fontset-menlokakugo"))
(setq face-font-rescale-alist '((".*Hiragino.*" . 1.2) (".*Menlo.*" . 1.0)))
)

Cocoa Emacs にYaTeXインストール

公式サイトより ver1.74 download

% tar xzvf yatex1.74.tar.gz
% cd yatex1.74
% vi makefile

以下追記(Homebrewからインストールした時用)

PREFIX=/usr
EMACS = emacs
EMACSDIR= ${PREFIX}/local/Cellar/${EMACS}
INFODIR = ${PREFIX}/share/info

最初から書いてあったPREFIX,EMACS,EMACSDIR,INFODIRの行をコメントアウトして以下を実行

% sudo make install
% sudo make install-info

.emacs.d/init.el(.emacs.elでもいい) に以下を追記

;; homebrew のロードパスを追加
(setq load-path (cons (expand-file-name "/usr/local/Cellar/emacs/site-lisp/yatex") load-path))

Python Superpack

Numpy, Scipy, Matplotlib, iPaython, Pandas, Statsmodels, PyMC を一気にインストールしてくれる。要 OSX10.7.3 / XCode 4.3.2。http://fonnesbeck.github.com/ScipySuperpack/からDownload Scipy Superpack Installer for OSX 10.7をダウンロード。

% sh install_superpack.sh

とする。「Are you installing from a repository cloned to this machine (if unsure, answer no)?(y/n)」と聞かれるので n としてインストール

TeX環境

以下のサイトなど参考にしつつ導入。
Macで簡単TeX導入 – TeXShop
http://blog.cyclogy.com/2010/12/20/texshop/
TeXShop を使わずに Cocoa Emacs + YaTeX で使いたい場合以下を .emacs.d/init.el に追加しておくとよい。
latexmk については後述する。

(setq auto-mode-alist
(cons (cons "\\.tex$" 'yatex-mode) auto-mode-alist))
(setq tex-command "latexmk -pdf"
dvi2-command "open -a TeXShop" ;; プレビューにTeXShop使う場合
;; dvi2-command "open -a Preview" ;; 標準の Preview 使う場合
)

latexmkの設定

TeXは通常citeとかref等のクロスリファレンスを解決する際、一度ではなく複数のコンパイルを必要とする。このため、コンパイル回数が足りない場合(ちゃんとコンパイルしたつもりでも)参考文献が[?]等になってしまうことがある。latexmk はコマンド一発でこれらの全て解決できるまでコンパイルをしてくれる便利なツール。以下のサイトから最新版をダウンロードできる。

http://www.phys.psu.edu/~collins/software/latexmk/

以下のようにしてインストール

% unzip latexmk-431.zip
% cd latexmk-431
% mv latexmk.pl latexmk
% chmod 755 latexmk
% sudo cp latexmk /usr/local/bin/latexmk
% sudo cp latexmk.1 /usr/share/man/man1

~/.latexmkrc を新規作成。次のような内容にしておく。

$tex = 'platex';
$pdflatex = '~/Library/TeXShop/bin/platex2pdf-utf8';
$bibtex = 'pbibtex';
$makeindex = 'mendex';
$dvipdf = 'dvipdfmx';
$dvips = 'dvipsk';
$dvi_previewer = 'xdvi';
$pdf_previewer = 'open -a TeXShop';

platex2pdf-utf8がないと思うので、以下のようにして作成しておく。platex2pdf-euc が存在しない場合 TeXShop を一度起動しておくこと。

% cd ~/Library/TeXShop/bin
% cp platex2pdf-euc platex2pdf-utf8

これだと

I can't find the format file `platex-utf8.fmt'!

とかエラーが出るので、platex2pdf-utf8を編集して

ptex -kanji=$ENCODE -fmt=$PTEX-$ENCODE -progname=$PTEX $1 && \

の行を

platex -kanji=$ENCODE -progname=$PTEX $1 && \

へ変更する(ptex→platex、-fmtのオプション削除)

MySQL

オフィシャルサイトからDMGをダウンロード。Lion用バイナリがないのでSnow Leopard用バイナリを使う。
インストール後、/usr/local/mysql/bin にパスを通しておく。

% mysqladmin -uroot password パスワード

としてrootのパスワードを設定

% mysqladmin reload -uroot -p

で再読み込みして終了。

R

オフィシャルサイトからPKGをダウンロード。インストール後に.zshrcにR_HOME環境変数として

export R_HOME=/Library/Frameworks/R.framework/Resources

と設定。

入ってた

  1. Subversion は入ってる
  2. Xcode で Command Line Tools を入れれば git も勝手に入る。最新版がいい場合は brew install git で。
  3. Rails も入ってる

2011年買ってよかったもの(携帯電話編)

最初「ハードウェア編」だったのですが携帯だけで相当な分量になったので「携帯電話編」にしました。

Google Nexus S(北米 T-Mobile版・SIMフリー)

詳しくはこれ
今年は Android, Windows Phone, iOS と3OS全てのSIMフリー端末を購入したけれど、
結局一番使っていないのは Android だと思う。

HTC Radar(UK版・SIMフリー)

HTC Radar 01

HTC から発売された Windows Phone 7.5(Mango)機
UK の Handtec から 約 313 ポンド(送料込)で購入。
Windows Phone 自体には 7 の頃から注目していたのですが、7.5で遂に日本語対応となったことを受けて早速購入してみました。

そもそも白を注文したのですが、UKでのSIMフリー版はグラファイトのみの販売となり、結局届いたのがグラファイトだったなど、ちょっとしたトラブルはあったものの、気にせず使っています。

Windows Phone 7 は従来の Windows Mobile 6.5 とは全く違うOSとして設計された Microsoft の新しい携帯端末向けOSです。全てのアプリケーションは Metro というデザインガイドラインに基づいて設計されており、統一されたインターフェースと高速な動作を提供します。動作やインターフェースなどは以下のページの動画をいくつか見て頂くのがよいかと思います。

Youtube windows phone channel
http://www.youtube.com/user/windowsphone

ハードウェアの面では「Chassis」と呼ばれる共通仕様を設け、CPUであれば1GHzのARMv7以上(Snapdragon QSD8x55, MSM8x55)、といったように、ハードウェアの必須要件をある程度絞り込むことで、ハードウェアの基本性能を統一し、アプリケーション開発や品質維持を容易にしています。ただし、Chassis で決められているのは必須の要件ですので、その要件さえクリアすれば残った部分のカスタマイズはハードウェア開発者側に任されています。
少し例を挙げると、画面解像度は480×800ピクセルとされており、変更ができません。このため、国内のどこぞのAndroid端末のように1280×720ピクセルの端末を作って売れるメーカーにとっては(高性能をウリにできないという意味での)足枷になりますが、ユーザにとっては1280×720ピクセルの端末を買ってみたら、描画が重すぎる上にすぐ熱暴走する、というような体験がないことがある程度は保証されています。

サービスの設計思想として特徴的な点として挙げられるのは Peopleハブ でしょう。Peopleハブ は連絡先の一件一件に対してそれぞれTwitterやFacebookといったアカウントを割り当てることができます。友人のタイムラインは、Twitter、Facebookといった複数のタイムラインが混ざったものになります。返信をする時もTwitter宛の返信かFacebook宛の返信かは意識する必要はありません。ただ「返信」するだけでPeopleハブが自動的に判別してTwitterの発言にはTwitterで、Facebookの発言にはFacebookで返信してくれます。これは従来のサービスを基礎としたコミュニケーションではなく、人を基礎としたコミュニケーションを提案するものだと思います。

使ってみた感想としては、まだアプリ等が出揃っていないこともあり、これ一台で色々...というには少し物足りない印象があります。Peopleハブもコンセプトは良いと思うのですが、まだまだ機能が足りないところがあり、結局専用のクライアントを使い分けている状態です。1台で使うならまだ iPhone を使うだろうなという印象ではありますが、軽快な動作と Metro UI の操作感覚は触っていて非常に楽しいし気持ちいいですね。個人的にはその点においては iPhone よりも評価しています。

残念ながら日本ではau+東芝のIS12Tのみの展開となっており、今後の見通しもあまり明るくないという噂ばかりが耳に入ってきますが、とてもよいOSだけに是非頑張って欲しい。Windows 8 における Metro UI の導入と Phone とのアプリケーション連携を切札に日本での成功を願っております。

iPhone4S(北米版・SIMフリー)

※ 北米版を購入する方への注意:日本のAppleStoreでは北米版 iPhone の修理が行えません。
実際にお店で確認してはいませんが、確認した数名の方は断られているようです。SIM フリーの iPhone を使いたい方は、それなりの覚悟をして購入するか、香港版やシンガポール版を購入しましょう。

iPhone4S には docomo の SIM を挿して Xiにねん+Xiパケ・ホーダイで使っています。
Xiパケ・ホーダイの場合、

  • テザリング可能
  • 月4410円定額(ただし2012年4月からは5980円)
  • 2012年10月からは7GBまで定額、以降は2GBごと2625円(10月までは当月末まで128Kbps制限)
  • 通話プランはタイプXiもしくはタイプXiにねんのみ

というプランです。従来はSIMフリー機=PC扱いで、全ての通信がテザリング通信扱いのため、月額8190円と高額なパケット定額料金がネックでしたが、Xiプランの登場により、SIMフリー機でもパケ・ホーダイの恩恵が得られるようになりました。

iPhone4S SIMフリー版を1つ持ち歩けば外での作業や会議でも docomo の 3G 通信が使えるため、大変便利です。
7GB超えることは3Gで使っている限りはそうない印象ですが、LTEでテザリングをバリバリやっていると少し不安かな…という量ですね。

その他

iPad2は使ってないなー...

2011年買ってよかったもの(ソフトウェア編)

年も明けた今さらですが、2011年にも色々なものを買ったので、その中から買ってよかったな、と思っているいくつかをピックアップしてみたいと思います。今回は Mac 用ソフトウェアから気に入ったものをいくつか。「去年発売・発表されたもの」ではなく、あくまで「去年使ったもの」ですのでご注意を。

Alfred

Mac APP Store にて購入(無料)

個人的な趣味であるキーボードランチャ。Windows では bluewind を愛用してました。Macでこの手のソフトと言えば QuickSilver が有名ですが、既に開発が終了しており、Snow Leopard や Lion な環境ではこちらが定番のようです。Command + Space (個人的にはCtrl+Enterが好み)でランチャを起動、Fだけ押せば利用頻度から推定してFirefoxやVMWare Fusionを自動補完され、Enterで起動が可能です。検索対象等も細かく設定できますが、高機能は必要としていない場合、Applications 以下だけでも十分でしょう。Dockにアイコンがずらーっと並ぶのが嫌いな人なので、最小限のアクションで希望のアプリが立ち上がるランチャは大好きです。

Tree

Mac APP Store にて購入(2200円)

Mac用アウトラインプロセッサです。この手のソフトは昔から探していて、以前示した条件は

  • 標準的なアウトラインプロセッサであること
  • Win/Mac 両対応か、もしくは相互にインポート/エクスポート可能なファイル形式が存在すること。

といったところです。最近はWindows全然使ってないんでもうOPMLでさえアウトプットできればそれでいいんじゃ...?ということで探し直してみたところ見つけたのがこのTreeというソフト。このソフトの特徴は項目が縦ではなく横にのびていくこと。単純だけど、一覧性がとてもよく文章や資料の構成をすっきりと整理することができます。

記述した文章は独自形式のtree/rtree形式もしくはアウトラインプロセッサの標準的な形式であるopml形式やテキスト、リッチテキストといった様々な形式で保存可能です。ただし、ラベル等の情報を保存するには独自形式であるrtree形式を使う必要があることには注意が必要です。実のところラベル等はあまり使っていないので個人的には問題ありません。iPhone等と携帯デバイスとの連携については、DropboxにOPML書き出し→CarbonFin Outlinerで読み込み、というスタイルで何とかやっていますが、シームレスさに欠けるので何とかしたいところ。

Reeder

Mac APP Store にて購入(850円)

キーボードショートカット、マウスジェスチャーに対応した快適な閲覧と、充実した他サービスとの連携、美しいUIを備えたRSSリーダです。サービスはGoogle Reader限定ですが、特にキーボード派の人にはお勧めしたい。個人的には愛用のブックマークサービスPinboardと連携できるRSSリーダがほとんどないのでそれが使えるだけで有り難いです。ちなみに iPhone/iPad 版も(別料金ですが)あります。そちらも非常に良い出来で、Mac版よりは安く購入できるため、iPhone/iPadをお持ちの方はそちらから試してみることもできます。

次点

まだあまり使っていないけど前から欲しかった OmniGraphSketcher はやっぱりかなりいいです。関数をベースにしたグラフを描けるわけではないので、そういう用途には OSX に最初からインストールされている Grapher のほうが向いていますが、ちょっとしたスケッチや資料用の図なんかには最適です。
あとは Transmit がバージョンアップされて更に使いやすくなりました。SFTPサーバをディスクとしてマウントできる機能は便利ですね。フリーがいい方は OSXFUSE(MacFUSEは開発終了) + SSHFS だと思いますが Transmit のほうがより手軽で高速な印象です。

2011年は Mac App Store の発表でソフトウェア購入や複数マシンへのインストールの利便性が飛躍的に上がりました。こうなると今まで買っていなかったシェアウェアにも手を出しやすくなりますね。iPhone/iPad にはない素晴しいアプリも沢山ありますので、(少し価格は高いですが)ぜひ皆様お試しください。

Google Nexus S 購入

そろそろAndroid端末が欲しくなったので、昨年12月に発売されたNexus Sを個人輸入すべく色々調べてみました。購入を考えていた1月初旬、Nexus S を購入可能なのは米国BestBuyの通販サイトからの購入のみとなっていましたが、BestBuyは国外発送を行っていないため日本のからは購入ができません。このため転送サービスを利用することにしました。馴染みのない方のために説明しておくと、転送サービスとは

  1. 転送業者にユーザー登録→転送業者の住所を教えてもらえる
  2. 転送業者の住所を発送先に指定して買い物
  3. 転送業者に「そのうち〜という荷物が届くので届いたら我が家まで送ってね」と依頼
  4. 転送業者は届いた荷物を我が家まで発送

といった手順を経ることで発送先が海外のみのショッピングサイトから買い物を可能とする仕組みです。転送サービスにユーザ登録して教えてもらった住所を発送先に指定して、BestBuyでNexus Sを購入して待つこと約3日。こんなメールが届きました。

20110108_bestbuy_cancel

どうやらBestBuyでは転送サービスを使うことを禁止しているようで、発送先が転送業者の住所と判定されると自動的にキャンセルがかかるようです。日本発行のクレジットカードだとダメという説もありました。とにかく他にもいくつかの転送サービスを試してみたのですが、いずれもキャンセルに。

何回かキャンセルをくらったあたりで転送サービスを使うことは諦めて購入代行サービスを使うことにしました。購入代行サービスの基本的な流れは転送サービスと似ていますが、商品を(URLなどで)指定して、業者に購入手続きも含めて行ってもらう点が異なります。こうすることで、単純に米国内での購入になりますのでBestBuyでもキャンセルされずに購入が可能なはずです。

購入代行業者に発注を行ったのが1/15、今度はキャンセルされることなく注文が完了し、1/25に商品が代行業者に到着、その後ヤマトの海外宅急便にて発送され、以下のような流れで日本まで到着しました(都内の我が家には1/29に到着)。

2011-01-25_shipping

ちなみに今回の購入金額は以下のような内訳になっています。

製品代金:$529.99
手数料:$53.00
送料:$23.94(ヤマト運輸)
合計:$606.93(約50,500円)

オレゴン州の業者を使ったので消費税は0円でした。これに加え、税関での消費税1200円がかかったため、荷物受け取り時に現金で支払いました。合計で52,000円程度と日本でのプレミアム価格に比べれば随分安い価格で購入できたので満足しています。

NEXUS S 01NEXUS S 02
開封。検品のため一度開封された形跡がありますが、こういった購入形態の場合、ちゃんと検品をしてもらえるのは安心です。

NEXUS S 03
同梱品一覧。なぜかT-MobileのSIMが同梱されています。充電は MicroUSB で、AC充電用のアダプタも付属します。

NEXUS S 04
SIMなしでとりあえず起動してみたところ。

root 化したりドコモSIMで使ってみたりしているのでその話はまた後程

nook 購入

nook 02 nook 03

本体:付属品はUSB電源アダプタとUSBケーブル(micro USB type B)

アメリカ出張のお土産に全米最大の書店チェーン Barnes & Noble の電子ブックリーダー nook を買ってきましたのでご報告。

nook は EInk 表示部に加え、下部に3.5インチ液晶タッチスクリーンを備えた機能性の高い電子ブックリーダーです。販売はネットまたは実店舗で、ネットからの購入はアメリカのみから可能なため、日本で購入するには輸入代行業者などを通して購入する必要がありました(ので、ちょっとお高かったのです)。アメリカの店舗に行けば原価で買える!ということで突撃して買ってきました。nook には Wi-Fi モデル($149)と Wi-Fi+3G モデル($199)がありますが、日本では3Gが使えないのでWi-Fiモデルを購入。

アクセサリ

ケースや液晶保護フィルムは日本では取り扱いしているお店が少ないのと高いので、Barnes & Noble 製の純正品をついでに購入。

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(左) Protective Film Kit for nook($14.99) (右) Protective Cover for nook($24.99)

純正品の保護フィルムはアンチグレアタイプ。EInk 表示部に対して若干マージンが大きく、隙間ができるので気になる人は気になるかもしれません。

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Protective Cover はフロント面だけを保護するもので、樹脂部分のツメを本体上部と下部の左側にある穴にひっかけて固定します。必要以上に本体がぶ厚くならないので気に入ってる。

バッテリ交換 + MicroSDの追加

nook 10
Nook はバッテリの交換とMicroSDカードの追加ができます。交換は背面の樹脂カバーを外して行います。これは側面にいくつかあるツメを気を付けて外すだけなので簡単です。外してしまえば簡単に MicroSD カードスロットと充電池にアクセスできます。ちなみに背面の樹脂カバーには何種類かバリエーションがあり、これも Barnes & Noble の店舗で購入することができます。

電子ブックの購入について

現状 Barnes & Noble の電子ブックの購入にはクレジットカードとアメリカの住所が必要です。また、アメリカ国内からのアクセスである必要もあります。このため通常は日本から電子ブックを購入することは困難なのですが。詳細は後日書こうと思います。

自炊本について

nook はUSB接続するとマスストレージデバイスとして認識されます。
電子ブックは買えないとしても My documents フォルダ以下に自炊した本を置くことで  EPUB と PDF を読むことができます。

nook 11

楽しいですね。
色々入れて便利に使おうと思います。

JNSA 第2回学術界とのギャップ解消検討BoF

7月13日に、日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)さん主催「第2回学術界とのギャップ解消検討BoF」に参加させて頂きました。会合のまとめは筑波大学金岡先生のブログを参照して頂くのがよいかと思います。

JNSA 第2回学術界とのギャップ解消検討BoF|EL TIO
http://ameblo.jp/eltio/entry-10590196257.html

と丸投げして(すいません!)自分は深く考えさせられた数点について書き留めておくことにします。

最高のセキュリティ / そこそこセキュリティ

コストや利便性、安全性のトレードオフを満たすものが利用者にとって最高のセキュリティではないか、という議論がありました。その通りだと思います。ただ利用者はリスクや要件は定義できても、どうすればそれを満たせるのかはわからないと思います(新しい技術は特に)。利用者がニーズに応じて(もちろん根拠に基づいた)セキュリティレベルを選択できるようにしてあげる必要があって、それが「そこそこ」セキュリティで実現できるといいなと思っています。ただし、少し違う見方をすればそれは理論と実践の境界研究であり、セキュリティだけではなく社会科学なども含む研究になるはずで、金岡先生が常に仰っているように、このような問題を議論する場や、成果として認める受け皿が少ないのが現状だと思います。

そもそもギャップって何なの?何で解消したいの?

ギャップとは何で、どうしてギャップを埋めたいのか、という話をまずはっきりさせましょう。という議論もありました。セキュリティ業界に分野を絞らず長い目で見れば、世の中で使われている技術には大学で行われた基礎研究が基になっているものが沢山あります。そういう意味では「大学の技術使ってよ!」は実現されているとも言えます。金岡先生はじめ参加者の方々は「もっと理論から実践へのサイクルを早く回そうよ」という話をしていて、その理由を誤解を恐れず率直に言えば「ビジネスになるから」。もう少し大きな話をすれば「このままじゃ日本ヤバいよ。いい技術持ってるのに。」という危機感があるから。こういったところは皆さん共通の認識だったように思えます。極めて個人的な理由を付け足せば、「研究に対するモチベーションを保つため」も入ります。

ギャップは解消しなくていい、大学は大学、企業は企業それぞれにやれることは違うし、歩み寄る必要はないのでは?という意見はよくわかります。ただ、理論から実践へのサイクルが非常に遅いと感じていて、その現状には何らかの解決策が欲しい、というのが大学に属する人間としての意見です。主には大学側が変わっていかなければいけないのかもしれませんが…。

ところで、産業は新しい技術を使ってくれない、と言いますが、では既存の技術を使うだけで楽をしているでしょうか?私はそうではないと思います。既存の技術を使う上でも、安全性、利便性、コストといった要件を満たすために大変な努力が必要だと思います。だけど、それは学会には出てこないですよね。個人的にとても興味があるのですが…。議論の中でも出てきたように、実はある企業の中では当たり前のように(研究とは認識されずに)開発されていたことが、学会で最新の成果として発表されている、なんていう負のサイクルは実はよくある気がして、そう考えると悲しいです。大学では今どんな研究をしているのか、企業は実際に製品化するにあたってどういう努力をしているのか、そういったお互いの知識欲求を満たす場があれば、理論→実践だけでなく、実践→理論のサイクルをうまく回すことにも繋がるのではないかなと思います。

年齢・立場関係なく率直な意見を交換できる、貴重な会合でした。
今後の展開にも期待しています。

絶対に武器防具を買ってはいけないDQ6まとめ

DS版ドラクエ6をしばらく前に買いました。
SFC版はクリアしてたので、同じようにやってもつまらないので幾つか縛りを加えてプレイすることにしてみました。

縛り内容は

  1. 武器防具買い物禁止(道具はOKだが道具屋で売ってるアクセサリの類は購入禁止)。ただしイベントで強制購入となる「きぞくの服」だけは購入OK。
  2. 種系アイテムによる強化禁止
  3. レベル上げ、熟練度上げのための戦闘禁止。ボスに負けた場合同じステータスで再挑戦(つまりリセットしてやり直し)
  4. 世界樹の葉、世界樹の雫使用禁止
  5. カジノ禁止

といったところです。主人公の名前は「たらこ」(質問禁止)。

アモール北の洞窟までは主人公はひたすら棍棒ブン回して戦うことになるので戦力的に相当キツイです。道具OKにしたので薬草買い込めば何とかなりましたが、それがない場合レベル上げ無しでは厳しいかもしれません。ハッサン加入後はサンマリーノで鉄の爪が手に入るので相当楽になります。

中盤からは当初の予想通り武器や攻撃魔法が充実することから攻撃面での心配は減ってくるのですが、反面防具不足に悩まされます。結局チャモロに至ってはクリアまで「きのぼうし」より強力な兜が手に入りませんでした(エンデの兜を入手しなかったので)。中盤の難関はベストドレッサー賞です。魔法の絨毯が必要となる時点では、ベストドレッサー賞Lv3を勝ち抜くのに必要な装備を(買い物以外で)揃えるのが結構キツイです。
tweet_2010-05-09 16.06.45

ここでの重要アイテムは「デセオのパス」です。なぜかやたらにカッコいいのであいつと現時点で手に入っているプラチナ装備で固めれば何とか突破できます。

終盤に至っては防具不足に加えレベル上げ熟練度上げ禁止縛りが致命的に響いてきます。難関は何といってもラスボス戦です。あんまり職業とか考えなかった結果、ラスボス攻略に必要なスキルが(ハッスルダンスを除いて)身に付きませんでした。ちなみにラスボス突入時のレベルとステータスは以下(各上級職には寄り道なく辿り着いていると思って下さい)。

名前:職業 / レベル / HP / MP
たらこ:無職 (スーパースター★4)/ Lv36 / HP280 / MP126
ハッサン:パラディン★3 / Lv36 / HP345 / MP81
ドランゴ:ドラゴン★6 / Lv14 / HP408 / MP78
ミレーユ:無職(スーパースター★6)/ Lv35 / HP227 / MP152
チャモロ:無職(賢者★4) / Lv35 / HP257 / MP146
テリー:バトルマスター★5 / Lv35 / HP322 / MP60
アモス:無職(盗賊★8、商人★8、まものマスター★4) / Lv33 / HP266 / MP79
バーバラ:無職(賢者★4) / Lv34 / HP181 / MP182

たらこは本来スーパースター★6くらいでハッスルダンスを覚えていてもいいはずなのですが、しばらくうっかり無職のまま旅をしていたのでラスボスまでにハッスルダンスを覚えられず完全な役立たずと化しました。チャモロ・バーバラも何とか賢者★5まで上げてベホマラーを覚えさせたかったのですがそこまでは成長できず、ザオリクもベホマラーも使えるキャラがいないままラスボス戦に突入。ラスボス戦は8人全員で戦うことになるわけですが、明らかな防御力不足により控えメンバー(特にバーバラ)はほぼ一撃死の運ゲーと可します。とりあえず各キャラの役割分担を以下のようにして挑みます。

  • 魔法使い系キャラはHPとMPのバランスがとれている無職に
  • たらこ:賢者の石を使い続ける。あとメガザルダンス係。
  • ドランゴ:炎・吹雪に異常な耐性を誇るのでメタルキングの剣を持たせてドランゴ無双
  • ハッサン:ラミアスの剣かざしてせいけんづき。チャモロが死んだらザオラル。
  • ミレーユ:ひたすらハッスルダンス。あとメガザルダンス係。
  • チャモロ:フバーハ、ザオラル係
  • テリー:肉壁
  • アモス:肉壁
  • バーバラ:マダンテ係

前衛の体力が減ったら肉壁を前に出してハッスルダンスか賢者の石で回復。誰かが死んだ場合はチャモロのザオラルを必死に唱えるという運ゲーを敢行。チャモロが死んだらハッサンでザオラル。ハッサンも死んだらメガザルダンスに賭けるリスキーな作戦です。何度かチャレンジして、うまいこと凍てつく波動がこないとか、チャモロ・ハッサンが狙われないなどの運ゲー的要素もクリアして無事撃破!

主人公が勇者になることを恐れた大魔王でしたが、単なる8名中5名が無職のニート軍団に討伐されました。ニートは世界を救いますね。

怪我人噴火難民だった件について(後編)

怪我人だった件については前編を参照

後編では怪我をしてから帰国するまでを振り返ります。

4/16 帰国便の欠航決定

帰国便は4/17の予定でしたが、4/16の時点で日本からのANA便が全便欠航となったためアウトとなり噴火難民が決定。難民だからといって、特に航空会社や旅行代理店からのフォローはなく、自力で帰れ状態。仕方ないので同行していた方と一緒に航空会社および旅行代理店と帰国便の交渉に入りました。

まずしたことは、旅行代理店に対して、本来乗るべきだった便の振替便を手配してもらうこと。当然タダで乗せてね?と念を押しておく。これに対する代理店の返答は、

  • 振替便にタダで乗ることは可能
  • 現時点で予約が4/26までフリーズされているため、最短でも4/26の予約しか取れない

え?26日?

予想以上に状況が悪いことにここで気付きました。現地であまり騒がれていないこともあって、いいところ2、3日の追加滞在だと思っていたんですよね。この時までは。
とりあえずは4/26の振替便を予約できたので最遅の帰国日を決定できました。

4/17 スイスの空港閉鎖

4/16の時点ではまだ滞在国であるスイスの空港はクローズされていなかったため、スイス→中東経由の便を使うことで帰国の道が残されていました。このため、無料での振替便手配を諦め、エミレーツ航空、ジュネーブ発チューリッヒ・ドバイ経由の成田行きなどを帰国便として手配していた人もいたのですが、4/17の時点でスイスの空港も閉鎖となりました。

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晴れて約10名いた日本からの参加者(最終日まで参加した人)が全員帰れないこと決定(笑)

同日、ヨーロッパでは各航空会社によるテストフライトなどが行われ、飛行再開への協議が始まっていました。

4/18 代替便の手配
日本側でも、成田で帰れなくなっている外国人などが報道され始め、そろそろ事の深刻さが伝わり始める。その影響か、スポンサーの方針が「金かけずに帰ってこい」から「安全に帰ってこい」に変更となり、代替便の手配に許可が降りる。ということで可及的速やかに代替便の手配を始める。だがこの時点で22日の便がほとんど埋まっている状況。抑えたのが
4/23 アリタリア航空(ローマ経由)
4/23 ルフトハンザドイツ航空(フランクフルト経由)
4/24 トルコ航空(イスタンブール経由)

4/18 代替便の手配

日本側でも、成田で帰れなくなっている外国人などが報道され始め、そろそろ事の深刻さが伝わり始めました。その影響か、スポンサーの方針が「金かけずに帰ってこい」から「安全に帰ってこい」に変更となり、代替便の手配に許可が降りました。ということで可及的速やかに代替便の手配を始めたのですが、この時点で22日の便がほとんど埋まっている状況。抑えたのは次の便。

  • 4/23 アリタリア航空(ローマ経由)
  • 4/23 ルフトハンザドイツ航空(フランクフルト経由)
  • 4/24 トルコ航空(イスタンブール経由)

ちなみに、17日時点で18〜21日までの予約も可能でした。しかし、18〜21日に空港が開く見込みがないため、予約をしてお金を払っても欠航となってしまう確率が高かったのが現実です。欠航を確認してからまた予約を取り直すことも可能でしたが、そうすると今度は22日以降の便が既に満席になってしまい、帰国が遅れる可能性があります。このため、うまく空港が開く日を予想して、その日の便を確保しておく必要がありました。唯一、富豪ソリューションとして「キャンセルされても毎日予約し続ける」という大技がありますが、これにはクレジットカードの上限額という罠があるため、おすすめできません。

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4/19 4/22便確保

他の同行者から「エティハドならまだありまっせ」との連絡。調べてみると、確かにあります。しかも値段も安い。けどルートが

「ジュネーブ→アブダビ→北京→名古屋 全行程20時間」・・・名古屋?20時間?

けど1日早いのは魅力+エティハドちょっと乗ってみたいし・・・というわけでエティハド確保。空港がオープンすればエティハドで22日に帰れることになりました。

4/20 ヨーロッパの一部空港が復旧

この日からスイスの空港は一部再開。エティハド便はまだ再開しておらずドキドキする。

4/21 スイスの空港はほぼ完全復旧

ジュネーブの空港は、まだ一部しか復旧していないヒースロー行きの便を除き、ほぼ完全に復旧。エティハド便も運行を再開していることを確認。この時点で9割方帰国できることを確信しました。

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4/22 空港にてチェックイン後の色々

こっからが長いんですけどね・・・

空港着→エティハドチェックイン→荷物預ける→手荷物検査→出国審査

として出発ゲートまで移動するところまでは何なく完了しました。「やっと帰れるねー」と話していた矢先に旅行代理店から電話着信が。何だろ?と思って出てみると。

「ANAの振替便とれました!今日の22:00発です!」

・・・え?つか、もう出国しちゃってるんですけど・・・。

とはいえ、このままエティハドに乗ると18万円。振替便に乗ると0円。資本主義の奴隷としては悪あがきをせざるを得ないようです。パッと思いつく問題は

  • もう出国しちゃってる
  • チェックインカウンターに戻らないとキャンセルできない
  • 荷物預けちゃってるので、飛行機が飛ぶ前(あと30分以内)に荷物戻さないと大変なことになる

といったあたりです。さあどうする?(とりあえず走る)チェックインカウンターまでは、イミグレーションの人に泣きついて何とか戻してもらいました(チケットキャンセルしたいとか連呼) 。チェックインカウンターでもうまいこと事情を説明するほどの英語力がなかったので、もうチェックインしちゃったけどとにかくキャンセルしてえんだよ!と言った結果かなり怪訝な顔をされましたが何とかキャンセルできました。荷物も無事回収。こういうイレギュラーな荷物は到着時の荷物受け取りコーナーの片隅に Special Baggage というレーンがあってそこから出てくる仕組みになってます。この時点で旅行代理店にもう一度電話。

「無事キャンセルできましたー」
代「よかったです。ところで、ジュネーブからフランスまでの便は確保できていないのですがどう致しましょう?」
「・・・・えっ?」
代「・・・・えっ?」
「・・・・とれてから言えや!!!」

確保できていたのはフランス→成田のANA振替便だけで、ジュネーブからフランスまでの便は確保できてないと。それを知らせずに乗る寸前の便キャンセルさせるってどうなのよ・・・。とにかくこっちはもう代替便キャンセルしたし、ジュネーブでの宿もない。22:00のANA振替便に間に合うフランス行きの便を確保してくれ、あとタダにしてくれ。との要望を伝えてとりあえず待機することにしました。1時間ほどして、本来(17日の帰国時に)乗るはずだったジュネーブ→フランス便の振替便扱いでエールフランス便を確保したとの連絡があり、無事フランスへもタダで辿り着けることに。

空港脇のANA事務所へ

噴火難民中、会合参加者ほぼ全員がANAとの交渉に電話をかけまくっていたわけですが、その時必ず電話に出るのが「後藤さん」。もしかしてジュネーブにいる全ANA顧客の苦情を「後藤さん」が一手に引き受けているのか・・・と気になったので、飛行機が変更になって時間も余ったことだし、空港脇のANA事務所に行ってきました。後藤さんの他にもう一人現地の方がいらっしゃいましたが、本当に後藤さんが一手に引き受けている様子でした。ご苦労様です・・・。とりあえず怪我人アピールを全力でしつつ通路側の席をリクエストするよう頼んだりしてみました。そのおかげかどうかはわかりませんが、帰りの席はエコノミーから「プレミアムエコノミー」にアップグレードされました!ありがとう後藤さん!

帰国

その後は問題なく帰国。結局トランジット含めるとフランス経由でも19時間かかったとさ・・・。

tweet_2010-05-09 0.18.08

CDGって綺麗で設備も充実してるけど職員働かなすぎだと思いませんか?

無事帰国して

皆様にご心配をおかけしながらも

@tohki ちょwどうしたんすか??ANA欠航に憤慨してカウンターでも叩いたんですか??

@tohki このタイミングで降臨キタ――(゚∀゚)――!! てか、ヒビって大丈夫ですか!?もしや、国連ではしゃぎすぎて転んだとか…。

ん〜?2929旗を掲げて負傷ですか? RT @tohki: 病院行ったらリアルにbrokenとか言われたよ! http://twitpic.com/1g0mlw

無事帰国して参りましたありがとうございます。

ちょっと真面目な話をすると、今回のトラブルで一番困ったのは常備薬に関してです。持病があり常備薬を持参していましたが、それが足りなくなりました。いつも通り4日分ほど余分に持っていたので、飲む量を2/3程度にして対処しました。 幸い半減期の長い薬ですし、命に関わるような病気ではないのでよかったですが、当初最遅であった26日帰国になった場合は処方のために病院に行かざるを得なかったと思います。次回からは最悪の場合を想定してもっと多くの薬を持って行くようにしたいと思います。

あと、腕は折るな!割と大変だぞ!痛いし

怪我人噴火難民だった件について(前編)

4/11〜17の予定でジュネーブ出張に行っていました。その道程で滑って転んで骨折した上にアイスランド火山が噴火した影響で帰国できなくなるというネタを仕入れてきたので報告します。

当初の予定

4/11 出張でジュネーブへ
4/11〜4/16 ひたすら会議
4/17 帰国

4/11〜13 何のトラブルもなく会議をこなす

4/14 アイスランド火山噴火

4/15 ヨーロッパ北部の空港が閉鎖になりつつあるとの報

この時点では「どうせ欠航は今日の便くらいで明日明後日は飛ぶでしょ」くらいに思ってました

4/16 朝 トラムに駆け込み乗車をしようとした結果転倒

トラム(路面電車)はバリアフリーを考慮してか、ホームとレールの間が段差ではなく傾斜になっています。ジュネーブ駅(コルナヴァン駅)はこの傾斜が大理石っぽい素材になっており、小走りで横切ろうとした際に思いっきり横滑りしたわけです。革靴で走るのキケン。ちなみに転んだ直後はまだ元気。そこそこ痛みはあるものの腕は問題なく動いたので、脱臼かな?と思い応急処置だけ自分でして会議場へ移動。

4/16 昼 左腕が痛くて曲がらないことに気づく

午前中会議しながらPC作業。昼飯に行こうと思ったら腕が痛くてキーボード叩く姿勢からほとんど動かせないことに気づく。ヤバイなと思いつつこの時点では明日飛行機が飛ぶ予定だったので「まあ日本帰るまで我慢するか・・・」と考えていました。

4/16 昼 シャルル・ド・ゴール発ANA便(搭乗予定便)の欠航が決まる

明日帰国できないこと決定。あれ?腕ほっといたらヤバくね?このあたりで黙ってても鈍痛がしてくる。

4/16 14:00 会議場内メディカルセンターへ

三角巾をされた後、「病院行け。すぐ行け」と言われる。とりあえず聞いたのは「近くでクレジットカード使える病院ある?」

4/16 14:30 病院にて

クレジットカード使えることを再確認。ともあれレントゲンを取られる。腕を伸ばせとか言われたがこちとら伸びないから来とるんじゃい。どーにかこーにか冷や汗かきながらとったレントゲン写真がこちら(クリックで拡大)。

My Broke Left Arm

お医者さんから言われた言葉は一言「broken」。あー、折れてるのね・・・。わかりにくいかもしれませんが地面に垂直に手をついた結果、肘関節部分が圧迫されて、赤丸部分の骨が折れたようです。帰国後日本の整形外科で診察を受けたところ、「撓骨頭骨折」と診断されました。実際は完全には折れておらず微妙に繋がっているのでこのような場合は不全骨折と呼ばれるそうです。この後、「something strange」などと言われ、超音波検査とかされたのだがあれは旅行者と見ていらん検査をされた気がしている。

My Broken Left Arm 02

結局ギプスシャーレ(半分に割ったギプスを包帯で腕に固定したようなもの)を装着してもらい、処置完了。かなりちゃんとした処置だったらしく、日本に帰ってから行った整形外科医にも驚かれました。スイスの医療レベル高い。帰り際にお医者さんからは固い握手とともに「ASAPで日本帰って病院行けよ!」と言われましたが、「いつ帰れるかわかんねえよ!!」と壮絶に突っ込みたかったです。

ちなみに Passenger(旅行者)が  Insurance(海外旅行障害保険)をもらうためには Receipt(領収書)の他に Medical Certificate(診断書)が必要です。僕のような英語が苦手な方はとにかくこの4つの単語を連呼しましょう。

で結局帰れなくなったわけですが

帰ってくるまでに何があったかは後編にて