怪我人噴火難民だった件について(後編)
- Posted by tohki on May 9th, 2010
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怪我人だった件については前編を参照
後編では怪我をしてから帰国するまでを振り返ります。
4/16 帰国便の欠航決定
帰国便は4/17の予定でしたが、4/16の時点で日本からのANA便が全便欠航となったためアウトとなり噴火難民が決定。難民だからといって、特に航空会社や旅行代理店からのフォローはなく、自力で帰れ状態。仕方ないので同行していた方と一緒に航空会社および旅行代理店と帰国便の交渉に入りました。
まずしたことは、旅行代理店に対して、本来乗るべきだった便の振替便を手配してもらうこと。当然タダで乗せてね?と念を押しておく。これに対する代理店の返答は、
- 振替便にタダで乗ることは可能
- 現時点で予約が4/26までフリーズされているため、最短でも4/26の予約しか取れない
え?26日?
予想以上に状況が悪いことにここで気付きました。現地であまり騒がれていないこともあって、いいところ2、3日の追加滞在だと思っていたんですよね。この時までは。
とりあえずは4/26の振替便を予約できたので最遅の帰国日を決定できました。
4/17 スイスの空港閉鎖
4/16の時点ではまだ滞在国であるスイスの空港はクローズされていなかったため、スイス→中東経由の便を使うことで帰国の道が残されていました。このため、無料での振替便手配を諦め、エミレーツ航空、ジュネーブ発チューリッヒ・ドバイ経由の成田行きなどを帰国便として手配していた人もいたのですが、4/17の時点でスイスの空港も閉鎖となりました。
晴れて約10名いた日本からの参加者(最終日まで参加した人)が全員帰れないこと決定(笑)
同日、ヨーロッパでは各航空会社によるテストフライトなどが行われ、飛行再開への協議が始まっていました。
4/18 代替便の手配
日本側でも、成田で帰れなくなっている外国人などが報道され始め、そろそろ事の深刻さが伝わり始めました。その影響か、スポンサーの方針が「金かけずに帰ってこい」から「安全に帰ってこい」に変更となり、代替便の手配に許可が降りました。ということで可及的速やかに代替便の手配を始めたのですが、この時点で22日の便がほとんど埋まっている状況。抑えたのは次の便。
- 4/23 アリタリア航空(ローマ経由)
- 4/23 ルフトハンザドイツ航空(フランクフルト経由)
- 4/24 トルコ航空(イスタンブール経由)
ちなみに、17日時点で18〜21日までの予約も可能でした。しかし、18〜21日に空港が開く見込みがないため、予約をしてお金を払っても欠航となってしまう確率が高かったのが現実です。欠航を確認してからまた予約を取り直すことも可能でしたが、そうすると今度は22日以降の便が既に満席になってしまい、帰国が遅れる可能性があります。このため、うまく空港が開く日を予想して、その日の便を確保しておく必要がありました。唯一、富豪ソリューションとして「キャンセルされても毎日予約し続ける」という大技がありますが、これにはクレジットカードの上限額という罠があるため、おすすめできません。
4/19 4/22便確保
他の同行者から「エティハドならまだありまっせ」との連絡。調べてみると、確かにあります。しかも値段も安い。けどルートが
「ジュネーブ→アブダビ→北京→名古屋 全行程20時間」・・・名古屋?20時間?
けど1日早いのは魅力+エティハドちょっと乗ってみたいし・・・というわけでエティハド確保。空港がオープンすればエティハドで22日に帰れることになりました。
4/20 ヨーロッパの一部空港が復旧
この日からスイスの空港は一部再開。エティハド便はまだ再開しておらずドキドキする。
4/21 スイスの空港はほぼ完全復旧
ジュネーブの空港は、まだ一部しか復旧していないヒースロー行きの便を除き、ほぼ完全に復旧。エティハド便も運行を再開していることを確認。この時点で9割方帰国できることを確信しました。
4/22 空港にてチェックイン後の色々
こっからが長いんですけどね・・・
空港着→エティハドチェックイン→荷物預ける→手荷物検査→出国審査
として出発ゲートまで移動するところまでは何なく完了しました。「やっと帰れるねー」と話していた矢先に旅行代理店から電話着信が。何だろ?と思って出てみると。
「ANAの振替便とれました!今日の22:00発です!」
・・・え?つか、もう出国しちゃってるんですけど・・・。
とはいえ、このままエティハドに乗ると18万円。振替便に乗ると0円。資本主義の奴隷としては悪あがきをせざるを得ないようです。パッと思いつく問題は
- もう出国しちゃってる
- チェックインカウンターに戻らないとキャンセルできない
- 荷物預けちゃってるので、飛行機が飛ぶ前(あと30分以内)に荷物戻さないと大変なことになる
といったあたりです。さあどうする?(とりあえず走る)チェックインカウンターまでは、イミグレーションの人に泣きついて何とか戻してもらいました(チケットキャンセルしたいとか連呼) 。チェックインカウンターでもうまいこと事情を説明するほどの英語力がなかったので、もうチェックインしちゃったけどとにかくキャンセルしてえんだよ!と言った結果かなり怪訝な顔をされましたが何とかキャンセルできました。荷物も無事回収。こういうイレギュラーな荷物は到着時の荷物受け取りコーナーの片隅に Special Baggage というレーンがあってそこから出てくる仕組みになってます。この時点で旅行代理店にもう一度電話。
「無事キャンセルできましたー」
代「よかったです。ところで、ジュネーブからフランスまでの便は確保できていないのですがどう致しましょう?」
「・・・・えっ?」
代「・・・・えっ?」
「・・・・とれてから言えや!!!」
確保できていたのはフランス→成田のANA振替便だけで、ジュネーブからフランスまでの便は確保できてないと。それを知らせずに乗る寸前の便キャンセルさせるってどうなのよ・・・。とにかくこっちはもう代替便キャンセルしたし、ジュネーブでの宿もない。22:00のANA振替便に間に合うフランス行きの便を確保してくれ、あとタダにしてくれ。との要望を伝えてとりあえず待機することにしました。1時間ほどして、本来(17日の帰国時に)乗るはずだったジュネーブ→フランス便の振替便扱いでエールフランス便を確保したとの連絡があり、無事フランスへもタダで辿り着けることに。
空港脇のANA事務所へ
噴火難民中、会合参加者ほぼ全員がANAとの交渉に電話をかけまくっていたわけですが、その時必ず電話に出るのが「後藤さん」。もしかしてジュネーブにいる全ANA顧客の苦情を「後藤さん」が一手に引き受けているのか・・・と気になったので、飛行機が変更になって時間も余ったことだし、空港脇のANA事務所に行ってきました。後藤さんの他にもう一人現地の方がいらっしゃいましたが、本当に後藤さんが一手に引き受けている様子でした。ご苦労様です・・・。とりあえず怪我人アピールを全力でしつつ通路側の席をリクエストするよう頼んだりしてみました。そのおかげかどうかはわかりませんが、帰りの席はエコノミーから「プレミアムエコノミー」にアップグレードされました!ありがとう後藤さん!
帰国
その後は問題なく帰国。結局トランジット含めるとフランス経由でも19時間かかったとさ・・・。
CDGって綺麗で設備も充実してるけど職員働かなすぎだと思いませんか?
無事帰国して
皆様にご心配をおかけしながらも
@tohki ちょwどうしたんすか??ANA欠航に憤慨してカウンターでも叩いたんですか??
@tohki このタイミングで降臨キタ――(゚∀゚)――!! てか、ヒビって大丈夫ですか!?もしや、国連ではしゃぎすぎて転んだとか…。
ん〜?2929旗を掲げて負傷ですか? RT @tohki: 病院行ったらリアルにbrokenとか言われたよ! http://twitpic.com/1g0mlw
無事帰国して参りましたありがとうございます。
ちょっと真面目な話をすると、今回のトラブルで一番困ったのは常備薬に関してです。持病があり常備薬を持参していましたが、それが足りなくなりました。いつも通り4日分ほど余分に持っていたので、飲む量を2/3程度にして対処しました。 幸い半減期の長い薬ですし、命に関わるような病気ではないのでよかったですが、当初最遅であった26日帰国になった場合は処方のために病院に行かざるを得なかったと思います。次回からは最悪の場合を想定してもっと多くの薬を持って行くようにしたいと思います。
あと、腕は折るな!割と大変だぞ!痛いし
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